東邦レオ創業60周年の節目、理事長は1月の記念パーティーで流したという映像を紹介した。「石器時代、縄文時代は約3万7700年間、武器が発見されておらず戦争がなかったと言われている」。
一方、第二次世界大戦後わずか80年の間に資本主義・市場主義が台頭し、世界の上位1%の超富裕層が全体の資産の約40%を占める格差が生まれたという事実を挙げ、理事長は問いかけた。
「努力してもしても幸せにはなっていない。それは、努力する方向が間違っているんじゃないか」——自ら問いを立てる力こそ、これからの時代に最も大事な能力だという。
「言葉だけでどんなに理論を語っても、人には感動を与えられない。何かをやっている人の後ろ姿こそが人を動かす」——理事長はそう語り、この日の講師そのものを体現する存在として紹介した。
鹿児島出身、通称「ぽんちゃん」こと岩元みさ氏。サハラ砂漠やイラン、モンゴル、南極など世界の大陸を笑顔で走破し、2025年には北海道函館から鹿児島まで2,724.64kmを自らの足で走り抜いた——その生き様から「一歩踏み出す勇気」を感じてほしいと、理事長は期待を込めて紹介した。
出発翌日、宿泊先の男性から「懐中電灯を外に向けてみろ」と言われ照らすと、暗闇に光る獣の目——直後、近隣で新聞配達員が襲われるニュースが飛び込んできた。支援者が車で並走する中、恐怖と向き合いながら進んだ。
東日本大震災の被災地・福島県には、顔の見えない誰かのために代金を先払いする「お互い様チケット」という仕組みがあった。「今お金を払わなくていいから、私に何かを返そうとしなくてもいい。恩返しじゃなくて、恩送りっていうのが福島県で大事にされてるんだよ」実際にこのチケットで散髪を体験した岩元氏は、自分もいつか誰かのために先払いできる存在でありたいと感じたという。
モロッコ・イラン・ナミビア・モンゴルの砂漠、そして南極。過酷なレースの数々で、岩元氏は勝敗とは違う価値観に出会う。
▶ 南極154kmレースでは54人中もっとも多く転倒——それでも他の選手からかけられた言葉は「You are strong」
▶ イランで教わった「Friendship has no border」——国家間の緊張とは無関係に、個人同士の友情は成立する
▶ 南アフリカのタクシー運転手が見せた無言のサプライズ——「上を向いて歩こう」を流し、目的も告げずに笑顔で見送った





Qウルトラマラソンランナーとしての信念は何ですか?
A走る冒険家として活動していますが、「人生は自分で作ることができる」と本気で信じています。自分の人生は自分で作れるという信念を持っています。
Qこれまでどのようなウルトラマラソンを走ってきましたか?
Aモロッコ砂漠237km、イランシルクロード230km、韓国251km、モンゴルゴビ砂漠250km、そしてアルゼンチンから船で南極へ行き154kmを走りました。コロナの影響で延期になったり、世界中の様々な場所を走っています。
Q各国のレースでどのように過ごしていますか?
Aその国の独特のルールや文化を尊重して、なるべく寄り添った感じで過ごします。例えばイランでは自分もチャドルをしました。南極ではペンギンに5m以上近づかない、15m以上近づかないというルールがあり、走っていてペンギンが滑ってきたらペンギンが優先です。
Q南極マラソンでどのような気づきがありましたか?
A54人中ナンバーワンよりも一番転んだ選手でしたが、転んでもすぐに立ち上がる姿を見て周りの選手の態度が変わりました。「君は強い」と声をかけていただき、転ぶことが悪いことではなく、すぐに立ち上がることこそに意味があると気づきました。転んだ時こそ人の強さが試されるチャンスだと感じました。
開催 一般財団法人レオ財団 第143回月例会
(2025年11月)
会場 ル・クロ・ド・マリアージュ
レストラン&ウェディング
司会 西村 美花
(一般社団法人「こどものみかた」代表)
講師 岩元 みさ 氏
(走る冒険家/ウルトラマラソンランナー)
自分ではそれなりに行動しているつもりでしたが、実際はまだまだ足りなかったのだと氣付かせていただきました。知識を得ることも大切ですが、何より大切なのは「行動すること」。学びを行動で活かしていく生き方を、これから意識して積み重ねていきたいと感じました。
M.R.「怖さも不安も抱えたまま、それでも進む選択をする」という言葉。弱さを隠すのではなく、そのまま抱きしめながら前へ進む姿は、感動しました。また、ピストルを突きつけられたとき、私たちが忘れがちな「人として信じること」を思い出させてくれました。
K.K.とりあえず発言、行動ではなくきちんと落とし込んで動くことが大切だと痛感しました。ぽんちゃんのお話の内容もそうですが質問を受けた時のぽんちゃんの対応、話し方が実に誠実で胸に残りました。私も大切にしたいと思いました。
I.T.何時からでも、恐れを越えて一歩を踏み出していくことの大切さを教われて、勇気を頂きました。また、宇宙の大断言、橘様の日々の過ごし方を読ませて頂き、祈りと共にある日本に今生まれている意味を問い直す機会になりました。
A.K.
私が1番共感したのは、21歳の時に11ヶ月かけて世界一周した時のこと。自分が本当に困っている時に受けたホスピタリティは、今でも忘れられない。世の中捨てたもんじゃないな、何の見返りもなく人を助けてくれる人がいるんだということを感じた時、自分もいずれ困っている人を助けられる存在になりたいと決意した。また、彼女は理論で語るのではなく、行動を通じて自分の体験を伝えるからこそ、皆の心に響く。走るという行為が、これほど多くの人に影響を与えることは、本当に素晴らしい。
T.T.