MONTHLY FORUM
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2026年8月25日
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本石 昌也
氏 講演

ブレない心

世界挑戦の1ヶ月前、相棒を事故で失った——ボクシング未経験の男が、倒産寸前のジムを継ぎ5年間無給で「夢と経営の逆転」に気づくまで

世界挑戦をかけた大一番を1ヶ月後に控えた2009年4月13日、本石昌也氏の”相棒”だったプロボクサー・小松聖選手は、合宿先の滝つぼで命を落とした。数日後、所属先のジムも4500万円の負債を抱えて倒産。ボクシング経験も肩書きもない本石氏に残されたのは、「小松の代わりにこの世界で生きる」という覚悟だけだった。

講師:

本石 昌也

グリーンツダボクシングジム 4代目会長

ボクシング経験ゼロ。かつては社会をドロップアウトした人生を送っていたが、大好きだったプロボクサー・小松聖選手との出会いをきっかけに人生が一変。小松選手の事故死後、倒産寸前だったジムを継承し、世界チャンピオン1名、世界ランキング上位選手を輩出する名門ジムに再建した。

SUMMARY 01

理事長挨拶——「祭りにお金はかからない」

東邦レオが48年間続けている全社員参加の秋の運動会・演芸大会の話から、理事長は講演の枕を始めた。全国の営業所から社員が集まり、3日間かけて売上をゼロにしてまで開催してきたという。

「これ、株主が見たらどういう了見だという話だと思う。お金という面で考えたらやる価値はないけど、会社って本来こういうもんだろうな」

上司も部下も関係なく、誰もが何らかの役割を担い、みんなが喜ぶことそのものを楽しむ——理事長はその様子を「祭り」にたとえた。「祭りって金関係ないんですよ。お金がなんぼかじゃなくて、みんなが喜んでくれることが楽しい」。経済合理性では測れない価値にこそ本質があるという。

この日紹介する本石昌也氏の生き方も、その延長線上にあると理事長は語る。世界チャンピオンを目指すプロボクサー18名を抱えるグリーンツダボクシングジムの4代目会長でありながら、本人はボクシング未経験からこの世界に飛び込んだ異色の経歴を持つ。

「なんでこんな世界に入ったのか、涙なしには聞けないような話をしていただけると思います」——理事長はそう本石氏を紹介し、この日の講演への期待を語った。

SUMMARY 02

「小松の代わりに生きる」——突然の別れから生まれた覚悟

転機1

憧れの選手との偶然の出会い

社会からドロップアウトした生活を送っていた本石氏は、街で偶然出会った憧れのプロボクサー・小松聖選手に「大ファンです」と声をかけた。以来、彼の個人マネージャーとして人生をボクシングに捧げるようになる。

転機2

世界挑戦1ヶ月前に訪れた、突然の別れ

2009年4月13日、精神統一のため訪れた寺での合宿最終日、小松選手は滝つぼで事故死した。「僕みたいな中途半端な生き方をしている人間が関わってしまったからこんなことになったんや」——自分を責め、ボクシングをやめようとした本石氏を引き止めたのは、小松選手の母の言葉だった。

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SUMMARY 03

1年目の全敗——「夢と経営が逆転していた」

会長就任からの1年、戦績は25勝25敗。大事な試合はすべて敗北した。原因は選手の根性ではなく、本石氏自身にあった。 試合前日、計量を控えた選手が「最後にミットをお願いします」と申し出た。だが本石氏は「フィットネスの会員さんが7人待ってるから」と選手を待たせた。選手はサウナで減量しながら順番を待ち続け、やがて「もう倒れそうなので帰ります」と言って去っていった。

「夢を1番に置いてたはずなのに、いつの間にか経営の方に目が向いていた」

フィットネス会員150人を優先し、プロ選手の練習を後回しにしていた自分に、本石氏はこの一件で気づいた。「先週に問題があったんじゃない、僕自身に問題があったんですよ」。2015年5月、フィットネス事業を全廃してプロ専門ジムへの転換を宣言。会費収入が一気に消え、当時貯金があったわけでもなかったが、その決断がニュースとなり、夢に共感した新たなスポンサーたちとの縁がジムの再建を後押しした。

SUMMARY 04

人材育成の本質——「人を変えるな、自分を変えろ」

決断後、選手たちの姿勢が一変し、以降10年近くほぼ勝率トップ10を維持。全国350のプロボクシングジムの中で、東京の名門・帝拳ジムに次ぐ全国2位の勝率を記録した年もあり、今では世界チャンピオン1名、世界ランキング上位選手を輩出する名門となった。 会長就任1年目、本石氏はボクシング未経験ながら「会長だから」と分かったふりをして選手を指導していた。「こう打て、こう動け——分かってもないのに、焦って分かったふりして指導してたんですよ」。理事長がよく口にする「言ってることとやってることが違う大人が多い」という言葉が、当時の自分に重なったという。

  • 挨拶を「やれ」と命じるのではなく、会長自身が誰よりも大きな声で挨拶する——大人が姿で見せることでしか若者は変わらない
  • 「分かったふり」をやめる——技術指導は専門トレーナーに任せ、自分は選手の覚悟づくりに専念する役割分担
  • 9割の失敗と1割の成功を積み重ねる——夢を追う道のりは大半がうまくいかないことの連続だと言い切る
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QUESTION AND ANSWER

質疑応答

本石昌也氏の生き様に、会場は最後まで引き込まれていた。
MONTHLY FORUM

第142回 レオ財団 月例会

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開催概要

開催 一般財団法人レオ財団 第142回月例会
(2025年10月)

会場 ル・クロ・ド・マリアージュ
レストラン&ウェディング

司会 西村 実花
(一般社団法人「こどものみかた」代表)

講師 本石 昌也 氏
(グリーンツダボクシングジム 4代目会長)

VOICES FROM THE FORUM

参加者たちの言葉、それぞれの気づき。

毎回60名を超える経営者・社会人が集まる月例会。登壇者の言葉は、それぞれの現場に持ち帰られ、静かに、しかし確実に何かを変えていく。

「人は他人のためにという目標をもつと諦めずに頑張れる」というお話に大変共感しました。
私自身も、誰かの役に立てると思うと力を発揮できますが、自分のためだけだと「まあ、いいか」で済ませてしまうことがあり、
人のために動くことこそが、仕事の喜びであり、醍醐味であると改めて感じました。

「目を見ることで高まる集中力」という点が新しい気づきでした。
無意識に相手を見るのと、意識して相手の目を見ようとするのとでは、伝わるエネルギーも感じ取れる情報も全く違うと感じました。
「目は口ほどに物を言う」という言葉の意味を改めて実感し、今後は対話の中で相手の目から感じ取る力を磨いていきたいと思います。
私は数字を扱う仕事をしており、決算書や数値からは不正や違和感の「臭い」を感じ取ることがありますが、これからは数字だけでなく、相手の目や行動など五感を意識して磨いていきたいと思いました。

A.Y.

※起きたこと、特にマイナスなことを、全て"自分だった"と捉える姿勢。※やると決めてからの、熱い邁進する力とその根底にある想い。※体の動きと内面である心、そして考えて言葉にできる頭の部分、全てのバランスが素晴らしい方だと感動しました。

K.K.

私自身も、「日本の和の心を世界に伝えたい」。一人一人に自分の中の「カミの力」を思い出して欲しい、という夢がありましたが、まだまだ自分一人事で捉えていたように思います。本石会長の「『自分のため』では、頑張れない」。この言葉が響きました。もっと大きな意識で、この夢を本気で生きていこうと思います。

I.J.

・目の前の壁にぶつかったとしても、覚悟と強い意思を持って取り組むこと。・お金を稼ぐよりも重要なこと、誰かのために、世のために何ができるか、何をすべきかを今一度自身に問いたいと思います。

H.T.

自分の身に起こる出来事のひとつひとつにメッセージがあるのだと強く感じさせて頂ける講演でした。そのメッセージを見逃さないよう、日々自分の目標、使命と向き合う心を強く持ちたいと思います。

K.I.