MONTHLY FORUM
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2025年11月9日
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岩元 みさ
氏 講演

ワクワク生きよう。
人生は冒険だ!

走る冒険家・岩元みさの2724km日本縦断

ホテルには一度も泊まらなかった。公共交通機関も使わなかった。北海道・函館から鹿児島まで2724.64km、108日間——岩元みさ氏が「日本縦断」で貫いたのは、見知らぬ土地で見知らぬ人の家に泊めてもらいながら進むという徹底したルールだった。その旅の先で出会ったのは、熊の恐怖、南アフリカでのナイフ強盗、そして「お互い様」という言葉に込められた見返りを求めない支援の連鎖だった。

講師:

岩元 みさ

(

走る冒険家/ウルトラマラソンランナー

)

鹿児島在住。世界各地の砂漠・極地を走破する「ウルトラマラソン」ランナーとして、モロッコ・イラン・ナミビア・モンゴル・南極を完走。2025年には北海道から鹿児島まで2724.64kmを108日かけて踏破した。

SUMMARY 01

理事長挨拶——「努力する方向が間違っている」

東邦レオ創業60周年の節目、理事長は1月の記念パーティーで流したという映像を紹介した。「石器時代、縄文時代は約3万7700年間、武器が発見されておらず戦争がなかったと言われている」。

一方、第二次世界大戦後わずか80年の間に資本主義・市場主義が台頭し、世界の上位1%の超富裕層が全体の資産の約40%を占める格差が生まれたという事実を挙げ、理事長は問いかけた。

「努力してもしても幸せにはなっていない。それは、努力する方向が間違っているんじゃないか」——自ら問いを立てる力こそ、これからの時代に最も大事な能力だという。

「言葉だけでどんなに理論を語っても、人には感動を与えられない。何かをやっている人の後ろ姿こそが人を動かす」——理事長はそう語り、この日の講師そのものを体現する存在として紹介した。

鹿児島出身、通称「ぽんちゃん」こと岩元みさ氏。サハラ砂漠やイラン、モンゴル、南極など世界の大陸を笑顔で走破し、2025年には北海道函館から鹿児島まで2,724.64kmを自らの足で走り抜いた——その生き様から「一歩踏み出す勇気」を感じてほしいと、理事長は期待を込めて紹介した。

SUMMARY 02

「お互い様」がつなぐ日本縦断——108日間、宿泊費ゼロ

2025年7月11日、北海道函館の五稜郭を出発。約12kgのリュックを背負い、1日平均30kmのペースで108日間走り続け、この講演の約1ヶ月前に鹿児島・鶴丸城へゴールした旅——その途上で出会った出来事が語られた。

転機1

北海道、熊の恐怖の中を走る

出発翌日、宿泊先の男性から「懐中電灯を外に向けてみろ」と言われ照らすと、暗闇に光る獣の目——直後、近隣で新聞配達員が襲われるニュースが飛び込んできた。支援者が車で並走する中、恐怖と向き合いながら進んだ。

転機2

福島県、「お互い様チケット」との出会い

東日本大震災の被災地・福島県には、顔の見えない誰かのために代金を先払いする「お互い様チケット」という仕組みがあった。

「今お金を払わなくていいから、私に何かを返そうとしなくてもいい。恩返しじゃなくて、恩送りっていうのが福島県で大事にされてるんだよ」

実際にこのチケットで散髪を体験した岩元氏は、自分もいつか誰かのために先払いできる存在でありたいと感じたという。

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SUMMARY 03

世界の果てで学んだこと——「強さとは、起き上がること」

2018年から2024年にかけての約6年間、世界各地のウルトラマラソンに挑み続けていた時期の話。モロッコのサハラ砂漠、イラン・シルクロード、ナミビア、モンゴルのゴビ砂漠、そしてアルゼンチンから船で渡った南極——それぞれのレースの最中に、岩元氏は「強さ」の定義を見つめ直していた。

モロッコ・イラン・ナミビア・モンゴルの砂漠、そして南極。過酷なレースの数々で、岩元氏は勝敗とは違う価値観に出会う。

  • 南極154kmレースでは54人中もっとも多く転倒——それでも他の選手からかけられた言葉は「You are strong」
  • イランで教わった「Friendship has no border」——国家間の緊張とは無関係に、個人同士の友情は成立する
  • 南アフリカのタクシー運転手が見せた無言のサプライズ——「上を向いて歩こう」を流し、目的も告げずに笑顔で見送った
SUMMARY 04

ナイフを向けられた夜——対話という選択

南アフリカ滞在中、レースとレースの間のオフ期間の出来事。現地で「1人で出歩かないで」と忠告されるほど治安の悪い地域を、岩元氏は一人で歩いていた。

南アフリカの路上で、ナイフを突きつけられた岩元氏がとった行動は、逃げることでも大声で叫ぶことでもなく、対話だった。

「私は日本人です。日本人は南アフリカの人たちのことが大好きです。だから私はあなたと友達になりたい」

7分間の対話の末、相手は事情を明かした——子供が2人おり、仕事も金もなく、この行為に及んだのだと。岩元氏は近くの商店で、相手が選んだ「赤ちゃん用のおむつ」を買い、その場を後にした。

「暴力と暴力で解決しないこと、言葉と言葉で解決しないことがあったとしても、人の話を聞こう、相手を尊重して伝えようというコミュニケーションで解決することがある」

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QUESTION AND ANSWER

質疑応答

岩元さんがウルトラマラソンの過酷な挑戦を語る中で、会場は静かに聞き入った。砂漠237kmから南極154kmまで——世界中の極限状況で走り続けて得た「転んでもすぐに立ち上がる」という気づき。参加者の関心は、人生の困難に直面した時の強さの秘訣に向けられていた。

Qウルトラマラソンランナーとしての信念は何ですか?

A走る冒険家として活動していますが、「人生は自分で作ることができる」と本気で信じています。自分の人生は自分で作れるという信念を持っています。

Qこれまでどのようなウルトラマラソンを走ってきましたか?

Aモロッコ砂漠237km、イランシルクロード230km、韓国251km、モンゴルゴビ砂漠250km、そしてアルゼンチンから船で南極へ行き154kmを走りました。コロナの影響で延期になったり、世界中の様々な場所を走っています。

Q各国のレースでどのように過ごしていますか?

Aその国の独特のルールや文化を尊重して、なるべく寄り添った感じで過ごします。例えばイランでは自分もチャドルをしました。南極ではペンギンに5m以上近づかない、15m以上近づかないというルールがあり、走っていてペンギンが滑ってきたらペンギンが優先です。

Q南極マラソンでどのような気づきがありましたか?

A54人中ナンバーワンよりも一番転んだ選手でしたが、転んでもすぐに立ち上がる姿を見て周りの選手の態度が変わりました。「君は強い」と声をかけていただき、転ぶことが悪いことではなく、すぐに立ち上がることこそに意味があると気づきました。転んだ時こそ人の強さが試されるチャンスだと感じました。

MONTHLY FORUM

第143回 レオ財団 月例会

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開催概要

開催 一般財団法人レオ財団 第143回月例会

会場 ル・クロ・ド・マリアージュ

司会 西村 美花

講師 岩元 みさ 氏
(走る冒険家/ウルトラマラソンランナー)

VOICES FROM THE FORUM

参加者たちの言葉、それぞれの気づき。

毎回60名を超える経営者・社会人が集まる月例会。登壇者の言葉は、それぞれの現場に持ち帰られ、静かに、しかし確実に何かを変えていく。
”

何よりぽんちゃんのお話の「一生懸命さ」に心打たれました。「熱意はスキルを超える」ぽんちゃんのお人柄がお話の仕方にとても良く現れていて感動しました。素晴らしい講演を聞かせていただきありがとうございました!

T.T.
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何時からでも、恐れを越えて一歩を踏み出していくことの大切さを教われて、勇気を頂きました。また、宇宙の大断言、橘様の日々の過ごし方を読ませて頂き、祈りと共にある日本に今生まれている意味を問い直す機会になりました。

M.R.
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とりあえず発言、行動ではなくきちんと落とし込んで動くことが大切だと痛感しました。ぽんちゃんのお話の内容もそうですが質問を受けた時のぽんちゃんの対応、話し方が実に誠実で胸に残りました。私も大切にしたいと思いました。

K.K.
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自分ではそれなりに行動しているつもりでしたが、実際はまだまだ足りなかったのだと氣付かせていただきました。知識を得ることも大切ですが、何より大切なのは「行動すること」。学びを行動で活かしていく生き方を、これから意識して積み重ねていきたいと感じました。

I.T.
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“怖さも不安も抱えたまま、それでも進む選択をする”という言葉。弱さを隠すのではなく、そのまま抱きしめながら前へ進む姿は、感動しました。また、ピストルを突きつけられたとき、私たちが忘れがちな「人として信じること」を思い出させてくれました。

A.K.